今日は骨盤底筋群についてまとめましたー!
骨盤底筋群のエクササイズをしていく上で
必ず知っておきたい知識です。
では、こんな感じの内容で早速はじめていきます‼︎
骨盤底筋群の役割
骨盤底筋群っていうと
「ウィメンズヘルス関係のことでしょ〜」
「産前産後のことだからあんまり興味ない」
って思っている方も多いと思いますが……
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ちょっと待ったー!
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骨盤底筋群は、排泄や性生活だけではなく
「体幹の機能」としても欠かせない部分です。
体幹機能として
・腹腔内圧の維持
・腰椎 – 骨盤帯の安定
・抗重力下での姿勢の維持
の役割があるとされています‼︎‼︎
「いやいやでも尿失禁とか高齢者のことでしょ〜?」
というと、実はそうでもなくこんなデータもあります。
このように年齢、性別問わず骨盤底の機能不全は起こります。
私たちが対象としている患者様・クライアント様が対象外だとは言い切れないですよね。
なので必ず骨盤底筋群に関する知識をつけときましょー!
骨盤底の機能解剖
ではここから骨盤底筋群について詳しく見ていきます!
まずは骨盤底筋群の解剖から!
骨盤底筋群は3層構造になっています。
(層分けは教科書ごとに若干違ったりしますが…)
表層から1→2→3という順番です。
筋の連結が多く臨床上特に大切なのが第2層です。
第2層は「骨盤隔膜」といい
「肛門挙筋」と「尾骨筋」から成ります。
肛門挙筋は3つの筋肉の総称です。
内閉鎖筋と連結しています。
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第2層(骨盤隔膜)
■肛門挙筋
・恥骨直腸筋
・恥骨尾骨筋
・直腸尾骨筋
■尾骨筋
より詳細な起始停止・作用はコチラ
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さて、解剖をざっくりでも理解した上で、
次に考えていきたいのは筋の働きについて。
骨盤底筋群はインナーユニットとして働くため、筋単独の作用だけではなく「インナーユニット」の知識も臨床上とっても必要になります。
冒頭にお話しした「体幹機能」の側面としても大切な部分です。
ご存知の方も多いかとは思いますが、まとめるとこんな感じ。
横隔膜もインナーユニットです。
横隔膜と骨盤底筋群は切っても切り離せない仲で、運動療法を展開していく上でも「呼吸」は大切な要素となります。
このように、横隔膜と骨盤底筋群は連動して働きます。
妊娠中・産後の女性に限らず、呼吸が浅い人や腹式呼吸がうまく出来ない人は臨床上よく出会います。
そんな方はインナーユニット全体の働きも弱い人が多いです。
呼吸の評価を行うことって、呼吸リハビリ以外でもとっても大切だなぁと感じますよね。
こちらは姿勢と骨盤底筋群に関する論文。
ざっくりまとめると「骨盤後傾・腰椎後弯すると骨盤底への負担がかかりやすいので、骨盤底筋群の効かせやすいアップライト姿勢で保持できるようにしましょう」という感じ。
臨床に活かすならば、
姿勢を整えてから骨盤底筋群のエクササイズを開始。
骨盤底機能が低下している方には、姿勢へのアプローチをしっかり取り入れたいな。
と解釈しています!
さらに細かい話になりますが……
骨盤底筋群の筋繊維
骨盤底筋群は場所によっては遅筋線維が95%を占める。
姿勢を保持する作用として働く。
(引用:PTジャーナル 第47巻第10号 2013年)
というデータがあります。
もちろん咳やクシャミにとっさに対応できるように速筋線維もあります。
ですが、多くの部分が遅筋線維。
これもエクササイズ提供をしていくうえで考慮したい点で、いきなり速筋線維を攻めるよりも遅筋線維の活動を高めるようなエクササイズをする方が効果が出やすいし、体幹機能の向上にも効果的です。
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ここからは、
実際に私が行なっている評価方法と
アプローチ方法をご紹介したいと思います。
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ではいきましょうーー!
問診で聞いておくべきアレコレ
評価の第1ステップは問診!
問診の際に特に聞いておきたいポイントはコチラ。
骨盤底機能不全の原因
これらの要素がある方は、
骨盤底筋群の機能不全になりやすいです。
1つでも当てはまった方にはより慎重に
評価をしていくことが必要になります。
また、これらの要素を取り除いていくための
生活指導もリハビリを提供する上で大切です!
骨盤底筋群の評価方法
触診方法はいろいろありますが、
内診の次に、会陰腱中心を触診するのが一番わかりやすいです。(もちろん服の上からです。)
■会陰腱中心の触診方法
側臥位になり
患者様に肛門を指差してもらう
※その部分より一横指鼻側が会陰腱中心※
■評価方法
・安静時に、会陰腱中心の高さが両側坐骨の高さより2センチほど頭側にあるのが理想的な位置。それより低いと骨盤底筋群の緊張が低いと判断。
・収縮時に頭側に引き込まれるかを評価します。
評価スケールは、The PERFECT scheme や Oxford grading scheme を使用することが勧められます。
ただ、整形外科クリニックだと1単位という時間制限やオープンな環境ということからなかなか取り入れられていないのが現状です。
会陰腱中心の触診は同性同士であってもオープンなプラットフォーム上ではなかなか難しい場面が多いので、私は尾骨から触診することが多いです。
■尾骨からの触診方法
背臥位膝立て もしくは 側臥位
尾骨の先端に触れ、骨盤底筋群の収縮で頭側へ引き込まれるか確認する
ここは比較的触れやすい部分ですが、
骨盤底筋群の収縮が弱い方だとわかりにくいです。
会陰腱中心も尾骨も結構際どい部分なので、
最初は患者様自身に触れていただくことをお勧めします‼︎
骨盤底筋群エクササイズ
■骨盤底筋エクササイズの前準備
・骨盤をニュートラルポジションへ。
・腹式呼吸の練習をする
最初から腹式呼吸と合わせて骨盤底筋群を収縮させるのは難しい
・骨盤底筋群の場所や動きを理解してもらう
骨盤底筋群は小さな筋肉で収縮を感じるのが難しいので、「どこに付いていて」「どう収縮するのか」について理解しておいてもらうと結果が出やすい
・骨盤底筋群が弛緩できるか確認する
吸気のタイミングで会陰が下方へ降りてくるかを触診する
腹式呼吸のときの胸郭の動き、腹部の動きも
評価しておくと骨盤底筋エクササイズが
うまく進みやすいです。
最後に
骨盤底筋群は繊細でデリケートな場所にあります。
大切な筋肉ですが、ガシガシ評価するのではなく患者様への配慮が本当に大切です。
環境設定、十分な説明、同意。
問診もしっかりと行いましょう。
いまの臨床に骨盤底筋群の知識をプラスするだけで
見る幅がさらに広がると思います!!
みなさま、まずは自分の体で実際に骨盤底筋群の
収縮を感じてみてくださいね。
前回の内容も含め動画でまとめました✦ฺ
耳からインプットしたい方はコチラもどうぞ!
\ 動画で見る方はコチラ /
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