「帝王切開」を経験された方って結構多いですよね。
わたし自身、第二子妊娠中ずっと逆子だったので「このまま逆子が治らないと帝王切開になります」という話も出て、帝王切開をより身近に感じました。
帝王切開は誰かのためにお腹を切ること。
立派な外科的手術です。
日本では、出生率は低下しているのに
帝王切開率は年々増加しています。
(約4人に1人が帝王切開での出産)
急性期病院では外科手術後のリハビリテーション介入を行うこともありますが、帝王切開術後の患者様への理学療法介入はまだ発展途上です。
今後、ウィメンズヘルス領域の発展と共に、帝王切開術後の患者様への早期理学療法介入は増えていくと思われます。
そんなわけで、ぜひ一緒に!
帝王切開について学んでいきましょう!
帝王切開は増えている
日本では出生率が低下していますが、その反面「帝王切開率」は年々増加傾向にあります。
平成23年には一般病院での帝王切開は24.1%。約4人に1人が帝王切開で出産していることになります。
この背景として、
晩婚化により35歳以上の高齢出産が増加し
ハイリスク妊婦の増加
不妊治療による多胎妊娠の増加
が挙げられます。
また、医療技術が進歩したことで帝王切開のリスクが軽減し、以前は経膣分娩を試みていたケースも安全を優先して帝王切開を選択するようになってきたことが理由として挙げられるようです。
帝王切開はどういう場合に行われる?
帝王切開には2種類あります。
「予定帝王切開」と「緊急帝王切開」です。
予定帝王切開は、
私のように逆子がなおらない場合や
帝王切開の既往がある方
前置胎盤や低置胎盤の方
妊娠高血圧症候群の方……などなど。
緊急帝王切開は
分娩の経過で母児のどちらか、双方に問題があり
経膣分娩は難しいと判断された場合に行います。
帝王切開の方法
■ 麻酔
全身麻酔/脊椎麻酔/硬膜外麻酔
緊急性がなければ硬膜外麻酔が用いられる
■ 腹壁の切開
横切開/縦切開
横切開:創部が下着に隠れるため美容的観点から選択される
時間がかかる、術後の疼痛がやや強い
皮下血腫などの合併症が増える
縦切開:術視野が広いため緊急時は縦切開
術後の回復が比較的早い
創部が瘢痕化しやすい
■ 子宮切開
子宮下部横切開/逆T字切開/子宮体部縦切開
■娩出
コッヘルなどで卵膜破膜を行い児を娩出させる
その後、胎盤を剥離娩出させる
■ 縫合
子宮筋層の縫合はさまざま。
基本的には吸収糸で2層に縫合される。
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子宮の切開や縫合方法はその時の状況でさまざまな選択がとられるようです。
腹壁のどの筋がどのように切開されるのかを知りたくて、たくさん調べていたところ知り合いの助産師さんにコチラの動画を教えていただきました。
【注意】
実際の手術シーンなので苦手な方は見ない方がいいです。
合併症と理学療法介入
帝王切開の主な合併症はこちら
出血感染症
多臓器損傷
深部静脈血栓症
用水栓塞
創部の癒着・瘢痕化
術後早期に理学療法を開始するメリットとしては、深部静脈血栓症や肺合併症の予防ができる点。
下肢の自動関節可動域訓練
呼吸法
骨盤底の運動
などをおこなっていきます。
術後のリハビリ介入と同様ですよね。
運動だけでなく、
できるだけ疼痛を起こさない動作指導
産後の身体に負担をかけない動作指導
なども必要と考えています。
【帝王切開術後の起き上がり方】
【ママ、妊婦さんの体を守る動作】
術創部への徒手的な介入
創部のケア指導はほとんどないのが現状。あったとしても「自分で軽く皮膚を動かしましょう」程度です。
組織の伸張性や組織間の滑りや機能障害があると、腹横筋や骨盤底筋群の機能低下や股関節の可動性低下を引き起こすことがあります。
下腹部と会陰部、会陰部と股関節は筋・筋膜の連結を有しているため、瘢痕による影響をなるだけ減らせるように退院時指導などに介入できるとベター。
産婦人科で術後介入できなくても、産後ママのリハビリ時に、骨盤底や体幹などの機能低下があり帝王切開の既往がある方にはこのあたりの評価をおこなっていくといいですよね!
今日もお読みくださりありがとうございました✦ฺ